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左フィルハーモニーのステージ/右:同楽屋風景(いずれもべルリン〕

 

も危険なので対応策を検討しているところにガーヴリーロフ氏は到着しました。開演1時間前(マネージャー側の車の手配にミスがあったらしいとのことでした)。早速協奏曲のリハーサルを開始。何とか本番に間に合ったという感じで、食事を満足に取れなかった楽員もいたと思うのですが、演奏会のほうは大変な盛り上がりで、ガヴリーロフ氏も盛大な拍手に応えてアンコール曲も1曲演奏。スリルのある演奏会でしたが、ここでもまずまずの成功といえるでしょう。(星野究/トランペット)

 

(”ドイツの奈良”と言われる)レーゲンスブルク大学のホール。緑と水に囲まれた町がとても素敵で、都会ばかりまわった後だったからでしょうか、“ヨーロッパヘ来たんだな”としみじみ感じることができました。ドナウ河のほとりで、お婆さんが炭火で焼いてくれたソーセージを食べながら(ビール…といきたいところですが、コンサートの前ということで)ミネラルウォーターをいただきました。翌日は久しぶりのOFF。みんな自由にのんびりと休日を過ごしたのではないでしょうか。メーデーということでお店はほとんど閉まっておりました。それぞれにツアーを組んでノイシュヴァンシュタイン城など観光へ行った人、こちらへ住んでいる友人に会った人ーホテルで寝ていた人それぞれ思い出を詰めて、ベルリンヘと発ちました。
(杉島倫子/ヴィオラ)
【5月2日/ベルリン】
べルリン・フィルの本拠地フィルハーモニーでの演奏は日本フィル初体験。客入りは6割ほど(チケットは1500枚売れたとのこと)でしたが、客席からは盛大な拍手。ガヴリーロフ氏も好調。コンチェルトが終わり、休憩でオーケストラが退場する時にも拍手が来るほどでした、ファリャが終わり。大きな拍手ととブラボー、アンコールの「土俗的舞曲」ではては更に大きな拍手…ちなみに、現在ドイツの首都はベルリンですが、大使館など政府関係機関はまだボンにあるそうです。西暦2000年をメドに移転を完了する予定とのこと。(編集部)

 

「カールライスターも座っていたあの席で自分が演奏するのか…」といった、妙な興奮と緊張感で、“いざ鎌倉”ならぬベルリンへ
凄い威厳をもって聳え立つフィルハーモニー・ベルリンの中にに入ると、そこからはずっとオーケストラの世界。広いステージ裏にはカフェがあり、そこにはそれぞれの楽器をモチーフした絵が飾ってあって、あらゆる所にはBPOのスケジュールやコンサート案内が貼ってある。僕が入った楽屋はどうも木管楽器の部屋みたいな感じで、ファゴットのスタンドがいくつか置いてある。壁には22個のロッカーがあって、机の上にはフェルトのようなものが貼ってあって、楽器などを置いてもガツンといわない。楽屋の照明も天井から低く、ぶら下がっているスポットライトみたいなやつで、タプルリードの人がリード削りをするには最高のシチュエーション。おまけに楽屋の皆の響きもよく、いいリードを選択できそうな環境、すべてがオ一ケストラ・プレイヤーのために作られている空間だった。一方ステージは前にも横にも後ろにもたくさんの客席があり、ちょうどホールの空間の中央にオーケストラがいるような具合である。客席から見るとオーケストラがひとつの美術品としてステージに飾られているようにしっくりマッチングしていた、そして音は落ち着いた空間によくなじんだ響きがする。とてもバランスがとれている感じがして、木管楽器の音が埋もれず、もぐらず、しっかり響く。「ああ、やっぱりベルリン・フィルはいつもこんな所で音を作っているんだなあ」と、思わせる素晴らしいホールだと思った。(伊藤寛隆/クラリネット)

 

 

 

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